熱烈起業家支援プロジェクト⑪~起業に必要な日数、「日本」の場合
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2011年の世界銀行の統計で、アジア各国で「起業に必要な日数」という興味深い数字が発表されています(3月19日付フジサンケイビジネスアイ)。
この統計によると、最も早く「起業」ができるのは、「シンガポール」「香港」の「3日」、逆に最も日数がかかるのは、「ラオス」の「93日」、次いで「カンボジア」の「85日」「インドネシア」の「45日」となっています。「日本」は、「23日」、「中国」は「38日」、韓国は「7日」と発表しています。
この統計に言う「起業に必要な日数」が、形式的に「会社」を設立することなのか、それとも実体的に「会社」名義の「銀行口座」の開設など、営業ができる状態を言うのかはっきりしませんが、「日本」の「23日」という数字は、かなり疑問のある数字です。実際に会社設立に関わる業務に携わる立場からしても、すでに会社の商号、本店場所、事業目的、役員構成、資本金などが決まっており、資本金となる資金もすでに用意されているのであれば、公証役場の定款の公証から、法務局での登記申請から実際に会社謄本や印鑑証明書が出るまで、スムーズに行けば1週間くらいで会社設立は可能なはずです。
この数字の信頼性に疑問はあるとは言え、世界銀行の基準からすると、少なくとも「韓国」の「7日」の3倍もかかる日数と見積もられており、いわばスピード感のない国が「日本」であると把握されているようですね。ちなみにこの記事によると「世界で最も起業しやすい国」とされているのは「ニュージーランド」で「1日」で起業ができるそうです。インナーネットでの会社設立の申請が出来、手続きが簡単なようです。
日本でも、2006年5月からの会社法施行により、最低資本金制度の廃止、定款自治による会社機関の設計の自由化などが導入され、「起業」のための「制度」的な用意は十分にされているように思います。むしろ現状の問題は、長期化するデフレ経済や失われた30年とも言える状況の中で、現状打破を試みる「起業」マインドを持った「起業家」自身が現れにくくなっていることだ考えています。