熱烈起業家支援プロジェクト⑨ ~ブランド戦略について考えました
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先日2月15日、大阪商工会議所北・都島・福島支部主催の「キラリ!と光る企業のブランド戦略」という講演、パネルディスカッションを聴いてきました。以前から「ブランド」戦略というものに興味があり、「私的ブランド論」(秦郷次郎著、日経ビジネス文庫)「つまりこういうことだ!ブランドの授業」(阪本啓一著、日経ビジネス文庫)などをパラパラと読んでいたのですが、やはり生の講演、ディスカッションを聴いて、改めて「ブランド」の意味や、中小企業にとってこそこの「ブランド戦略」が必要だと確信しました。
「ブランド」というと「ブランド」物、つまり、バッグの「ルイ・ヴィトン」が思い浮かぶように、一部のファッション業界や「トヨタ」「ホンダ」「パナソニック」のような大企業にのみ関係があるように考えてしまいがちですね。しかし、当日の講師、株式会社B.I.P.ジャパンの岡田氏によると、中堅、中小企業にこそ、中国をはじめ、新興国の攻勢、ネット社会の進展による情報の氾濫により、消費者の選択肢が増え、ますます企業の「独自性」が必要であり、差別化をすることが、今後の企業の生き残り、あるいは選ばれるために「ブランド」が必要なのだと強調されていました。
また、「ブランド」というと、「商品の名前」「ロゴ」「商品」そのものと考えてしまいがちですが、実はそれらは、「ブランド」を構成する要素にすぎません。実は「ブランド」とは、「旗」のことです。あるお店を始める際にここでこういう商売、ビジネスを始めましたよというときに店にたてる「旗」=「目印」が「ブランド」なのです。つまり、「うちのお店や会社はこういう商売、ビジネスをやっていますという宣言」がブランドです。この「ブランド」は、企業にとって「顧客への約束」であり、顧客にとっては、「安心と信頼の旗印」だと、岡田氏は説明されていました。
この日の講演、パネルディスカッションを聴いて印象に残ったキーワードは「フック」という言葉でした。これは、つまり「鍵」のことで、「ひっかける、ひっかかる」ということを意味し、顧客がある企業、商品、サービスを思い浮かべ、思い出させる内容のことです。たとえば、皆さんが「テレビ」を買う際、どこのメーカーにしようかという判断をするときに、テレビならこのメーカーだと考えておられることが多いと思うのですが、その際に私たちの心の中に何かの基準、イメージがひかかって、たとえば「シャープ」「パナソニック」だという決定をします。この「ひっかける、ひっかかる」というきっかけは、確かに「選ばれる」企業の条件として、非常に重要なことですね。
上記「私的ブランド論」でルイ・ヴィトンジャパンの創業社長の秦氏は、リアルブランドの要件として「1 長い歴史 2 一貫した伝統 3 独特の技術とノウハウ 4 ブランド独自の考え方・哲学 5 独自の美意識 6 高品質と保証 を挙げておられます。「ルイ・ヴィトン」だから言えることだという見方もできますが、「ルイ・ヴィトン」も最初は、一個人事業であったわけで、やはり日々のビジネス、商売の積み重ねが「ブランド」を作るわけですね。
皆さんの行うビジネス、商売において、「顧客への約束」「安心と信頼の旗印」である「ブランド」をどう作り上げていきますか。