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プレゼントの費用対効果について

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 クリスマス、お歳暮、お正月と、何かと誰かに贈り物、プレゼントをする季節になりました。12月4日付けのフジサンケイビジネスアイ・ブルームバーグ紙のハーバード大ロースクール教授のCass Sunstein氏のコラムにこの「プレゼント」についてのおもしろいコラム記事が出ていました。


 このコラム記事によると、「米国民が毎年クリスマスプレゼントに費やす金額は計650億ドル(約5兆3500億円)前後に上る。」のですが、「もらった人は、プレゼントの価値を実際により20%程度低く評価するのが普通」なのだそうです。
 
 まず、米国民のクリスマスプレゼントに費やす金額の5兆3500億円には驚きですが、この記事のおもしろいところは、プレゼントを贈った側ほど、贈られた側は「プレゼント」を高く評価しておらず、プレゼントのいわば費用対効果は低いという点にあります。

 この記事では、行動経済学の観点から、なぜそうなるのかを「自己中心的勘違い」「夢中になり過ぎ幻想」「現状継続の錯覚」「非現実的な楽観」「累積コスト無視」「自意識過剰の効果」などのキーワードを挙げて分析しているのですが、この最後の「自意識過剰の効果」の分析は非常におもしろいです。たとえば、「学生に気恥ずかしい柄のシャツを着て教室に入ってもらい、後で何人がシャツの柄に気付いたかを尋ねる実験」をしたところ、「実はほとんど誰も気付いていなかったが、学生は大勢が気付いたと感じた」そうです。つまり、人は他人のことには意外と無関心であり、自分が思っているほど自分のことには注目しておらず、考えていないのですね。いくら高いプレゼントをしても、プレゼントをもらった相手は、プレゼントの「値段」には関心がないのです。

 この考え方は、あるマーケティングに関するセミナーで講師が、「お客さんは自分のことに忙しくて、日々自社や自社のサービスについては、忘れられていく」という内容を話していたことと通じます。やはり人間は、まず一番が「自分」であり、よほどのインパクト、印象、あるいは日常的な接触がないと、覚えられず、「あの件はあそこに依頼しよう」「これはあそこで買おう」という際に、思い出してもらえないのでしょうね。

 ともかく、この年末年始、他人や会社に贈り物、プレゼントをする機会が増えますが、上記をご参考に、費用対効果を考えて行動してみてはいかがでしょうか。

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