今回は、起業家の条件について考えます。これを論じた良い本として「金持ち父さんの起業する前に読む本」（ロバート・キヨサキ他著・筑摩書房）があります。

　もう5年も前の本ですが、このなかで最も印象に残っているのは、「お金がない状態で機能する能力」という言葉です。会社を設立する、これから事業を始めようとする起業家には、通常「人」「もの」「金」の3要素がすべてそろわない状態が普通です。この３つの要素すべてがそろわないと、会社を設立しない、事業を始めないというのでは、いつまでたっても、会社を設立できないし、事業も始まらないとも言えます。

　この本の中でもロバート・キヨサキ氏は、氏の友人の起業家が「ビジネスで取引をまとめるには3つの要素が必要だ。1つ目は適切な相手を見つけること、2つ目は適切なチャンスを見つけること、そして3つ目はお金を見つけることだ」と述べ、更に「この3つが同時にやってくることはまれだ。相手がいても取引そのものやお金がない場合もあるし、お金はあるけれどいい取引や相手がいないという場合もある。起業家にとって最も重要な仕事は、この3つの要素のうち1つを手に入れ、次に残りの2つを探してそこにくっつけることだ。」と述べています。いかがでしょうか。