相続・遺言を考える①~遺言書偽造容疑で逮捕!
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もう2週間前の新聞記事になりますが、指定暴力団山口組系の元組員らが、85歳で死亡した東京・浅草の身寄りのない女性の遺言書を偽造したとして、4人が有印私文書偽造・同行使罪で逮捕されたというニュースがありました(2月1日付朝日、2月2日付日経など)。この女性は、約2億円の預金や、自宅の約79平方メートルの土地を所有していた資産家で、これらの財産は、別の暴力団組長が代表を務める宗教法人に贈与され、東京台東区のビル管理会社に売却されたようです。
怖い話です。資産家の女性とこれら容疑者は面識がないということです。どうやって、この女性の遺産情報などを入れたのでしょうか。「孤族社会」という言葉が、最近マスコミを中心に使われています。この女性も生前に信頼できる方ときちんとした形で、たとえば公正証書遺言のようなきちんとした遺言を残し、遺言執行者まで指定しておけば、このようなことにはならなかったはずです。もちろんこの被害女性にとっては、すべて自分の死後に行われたことであり、「知らぬが仏」とはこのことです。
今回のような事件は、本当に稀なケースでしょうが、家庭裁判所に申し立てられる遺産分割調停は、年間約1万件、ここ20年で2倍に急増、調停の約75%は5,000万円以下の財産を巡る争いが現実のようでです。「もらえるものはもらわなければ損」という意識。「お兄ちゃんはもらって、私はもらっていない」という兄弟間のトラブル。本当にお金や財産はあればあったで、トラブルを引き起こす、考えようによれば怖い存在です。今後も超高齢化社会が進行し、相続をめぐるトラブルが更に増大することが予想されます。
そのような状況の中で当法人と致しましても、相続を巡る争いをなくし、ハッピーな相続を実現するため、遺言書の作成をお勧めしております。遺言書の作成は、行政書士に認められた業務の一つです。このコーナーでは、「相続・遺言を考える」と題して、シリーズ化し、まさにこの「相続・遺言」の問題を法的手続き、現実に起こったケースなどを題材にし、提供していきたいと考えます。