「最初で最後」ということが、人生には時々あります。1ヶ月ほど前、当事務所から少し離れたところにあるケーキ屋さんで、家族の土産に初めてドーナツを買いました。美味しかったので、その２週間後その店に行ったのですが、店の中は空っぽ。どうも閉店した様子なのです。

　その店は、私がたまに車で出勤した時に車を停める駐車場の前にあり、１年くらい前からお店の存在は知っていたのですが、買ったのはそのときが初めて。家族か、少人数で経営しているような小さなお店です。住宅街にある店なので、そんなにたくさんお客さんが入るような様子もありません。ただ偶然買って食べてみると、下の娘からおいしいとリクエストがあり、また買いに行こうかと思っていた矢先でした。
　
　「一期一会」ではないですが、初めて店に入ったときに２度とこの店で買うことができないとわかっていたら、そのときもっと違う買い方があったのかもしれません。１年前から私がこの店で買うことがあれば、ひょっとしてこの店は、閉店しなかったかもしれません。もちろん、そんなことはあり得ませんが。

　どこにでもありそうな偶然のドーナツ数個の買物で、少し大げさですが、人生の意味を考えたような気がします。