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コロナウィルスの感染拡大に思う(4)

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 ここ大阪も現在3度目の緊急事態宣言下にあり、昨日4月30日も1日当たりの感染者数が全国1多く、感染者が入院できず、1万人以上の方が自宅療養という異常な事態にあり、医療体制も崩壊しています。

 そんな中、先日遅ればせながら、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリの「緊急提言パンデミック」という本を読みました。この本は日本では、昨年10月に発売され、氏の昨年3月15日「タイム」誌への投稿などが掲載されているのですが、既に「ウィルスの変異という驚異」という内容を書いています。

 過去のエボラウィルスの変異がたった1人の感染者から発生し、「感染性が4倍も高まった」ことなどに触れ、「新型コロナウィルスの、たった一つの遺伝子の中でそれに似た変異が起こりつつあるかもしれない。」と書いています。昨年の3月の時点で、です。今まさに全世界が変異株によって、感染の再拡大が起こっています。氏の指摘は今現実となっています。

 このハラリ氏は、「サピエンス全史」「ホモ・デウス」など世界的なベストセラーの著書があるのですが、卓越した視点で人類史を説いています。「サピエンス全史」は、マンガ版も発売されており、先日本屋さんで見つけ購入しましたが、本当に知的好奇心を刺激するような、エキサイティングな内容なのです。

 今回のコロナの問題も氏は、真の感染症対策は、「分離ではなく協力」だと説いています。つまり国際協力、グローバルな連帯が必要だとします。例えば氏はこの提言の中で「人類が天然痘を打ち負かすことができたのは、すべての国で大半の人が天然痘の予防接種を受けたからだ。たとえ1国でも国民に予防接種を受けさせることを怠っていたら、人類全体を危機に陥れただろう。」と述べています。「感染症を打ち負かすためには、人々は科学の専門家を信頼し、国民は公的機関を信頼し、各国は互いを信頼する必要がある。この数年間、無責任な政治家たちが、科学や公的機関や国際協力に対する信頼を、故意に損なってきた。」とします。

 つまり「信頼」こそがこのコロナ危機を乗り越えるための必要な姿勢なのですね。「信頼」には、当然「政治家」による国民に対する真摯な情報公開が必要なはずです。また、この「信頼」の重要性を説くのは、以前このコーナーでも紹介したジャレド・ダイアモンド氏が「連帯」の重要性を説くのと共通していますね。

 日本においても、このハラリ氏の提言する「信頼」の姿勢で、新型コロナウィルスに対応することが必要なのでしょうね。

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