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マスク屋内不要へ

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 岸田首相は、1月20日新型コロナウィルスの感染症法上の分類を今春にも第5類に変更する指示をしました。入院勧告や行動制限といった措置はできなくなり、医療体制も通常対応に移行、マスク着用についても屋内マスク不要という基準を示しました。

 ようやくここまでの判断に至ったかという感じがします。遅すぎます。既に厚労省のデータでも、致死率は、第1波では全国5.4%だったのに、21年夏の第5波では、全国0.4%にまで下がり、昨年夏の第7波(8月20日まで)では全国0.08%まで下がっていたからです。

 ただ、マスクの原則屋内不要という基準が、すぐに国民に浸透して、脱マスクが広がるのかは、個人的には懐疑的です。なぜなら、昨年5月に出た原則屋外不要という基準さえ、今現在も浸透しているとは言いがたく、おそらく90%以上の人が屋外でマスクを着用し続けているからです。

 今の異常な「マスク社会」の本質は、マスク着用が、本来の感染予防という目的でなく、人の目や体裁を気にして、「感染対策には気をつけています」という道徳的正しさをアピールするための手段に化してしまっているところにあると考えています。つまり、日本社会に特有な「同調圧力」「空気」に支配されてしまっているところです。

 ですから、飲食店に入れば、「他の人がマスクを外せば、マスクを外す」。ノーマスクで会話をする。店の外へ出れば、「他の人がマスクをしているからマスクを着ける」。そういう全く感染防止の目的からは真逆の対応を平気で行っているのです。本当におかしいです。

 一部の専門家から、またぞろ今回の緩和で気が緩み感染が拡大するのではないかという、コロナ発生当初からあった人びとを不安に陥れる論調を張る方が出てきていますが、それは今の日本国民のマスク着用の目的を把握できていないからです。病院や介護施設など、重症化リスクの高い場所でのマスク着用が緩めば、それは問題です。しかし、今人びとはそのような場面ではなく、マスクを外しても構わないような場面でも、人の目や体裁を気にしてマスクを外せず、マスクを着用し続けているだけなのです。

 本来、マスクを着ける、着けないのかは、自由で、その人の意思で判断すべき問題です。ですので、今回の指針が出ても「私はマスクをつけ続けます」という人も私の回りにいます。ただ、今回の政府の指針が、本来マスクを外しても構わない場面でも、人の目や体裁を気にしてマスクを外せない人にとっては、大きな後押しになるはずですし、特に大人の行動を見てしか行動できない子どもにとって大きな役割を果たすと考えています。

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