ガザ攻撃に心が痛みます③
このコーナーでイスラエルによるガザ侵攻、戦争の話題を取り上げたのが昨年11月、今年5月ですが、10月7日にハマスによる越境攻撃が始まって1年が経ちました。
しかし、戦争は未だ終わらず、イスラエルは、更にレバノンのヒズボラ攻撃やイランに対する報復攻撃の可能性、ハマス幹部の殺害、ガザの死者は4万人を超えるなど拡大の様相を示しています。ハマス最高指導者の「殺害」がイスラエルにとって「大きな戦果」(10月18日付、日経)という報道の表現もありました。「殺害」=人を殺すことが、「戦果」だという表現に、強烈な違和感を感じるのは、私だけではないでしょう。何人の人を殺せば、イスラエルは気が済むのでしょうか?
そんななか、先週の日曜日NHKスペシャルで「名もなき詩人 イスラエルの攻撃に言葉で対峙 | If I must die ガザ 絶望から生まれた詩」を観ました。
これは、昨年イスラエルの空爆で殺されたパレスチナ人の詩人、大学教授のリフアト・アルアライール氏の詩「If I must die, you must live」を題材にしたドキュメンタリーで、心が突き動かされる内容で、感動しました。
詩の内容は、
If I must die, you must live to tell my story…
もし私が死ななければならないのなら、あなたは生きなければならない、私の物語を伝えるために…
と続きます。この番組では、リフアト・アルアライール氏の生前の姿や他の人びととの交流も紹介されています。氏の穏やかな姿勢や、アメリカ在住の正統派ユダヤ教徒の女性の方との交流もあり、ユダヤ人を憎まないというスタンスを教え子にも示していたエピソードなども紹介されています。
イスラエルとパレスチナとの紛争は、我々日本人にとって確かに遠く、分かりにくいところも多いです。しかし、物資の不足や飢餓も指摘され、人間が自分の意思で自己の人生を生きることのできない状況が今のパレスチナの人びとにあることだけは間違いないと思います。仮にハマスによる先制攻撃があり、人質の一部が解放されていないとしても、もはや圧倒的に優位な武力、力によるイスラエルによる攻撃が許されるはずはない、と考えます。