事業協同組合設立手続き
事業協同組合設立手続きとは
会社を立ち上げたのだが、自社には営業力、資金力がなく、他社とのコラボレーションによりビジネスや商売を展開していきたい。そのような場合、企業間で業務提携を行いお互いのWIN-WINにより、業務展開をしていくことも一つですが、もっと組織として共同宣伝、共同販売、共同受注を行いたい場合に設立するのが、事業協同組合ということ
になります。
事業協同組合とは
中小企業等協同組合法に基づき、設立された団体のことで、中小企業(小規模事業者)の経営の合理化と取引条件の改善、競争力の維持・向上を主目的として、組合員企業の事業経営に関する共同事業を行う、中小企業(小規模事業者)の共同経営体になります。
つまり、企業1社では、対外的な信用力、資金力、交渉力がない小規模事業者でも、それら中小企業が数社、10数社、数10社集まることにより互いに支え合い、力を合わせてビジネス、商売を展開していこうという団体になります。
中小企業者が互いに協力し、助け合う精神(相互扶助の精神)に基づいて協同で事業を行い、経営の近代化・合理化と経済的地位の向上・改善を図るための組合で、組合は組合員の事業を支援・助成するためのものならばほとんどすべての分野の事業が実施できます。
組合の設立も4人以上集まればよく、気心の合う同じニーズをもった事業者だけで比較的自由に設立でき、中小企業者にとって非常に設立しやすい組合として広く普及しており、最も代表的な組合です。
従来は同業種の事業者で設立するケースがほとんどでしたが、最近では、異なる業種の事業者が連携してこの事業協同組合を設立し、各々の組合員が蓄えた技術、経営のノウハウ等の経営資源を出し合って新技術・新製品開発、新事業分野・新市場開拓等をめざすものが増えています。
事業協同組合設立のための要件①
発起人が4社(人)以上必要
事業協同組合の設立順序は、まず組合を作ろうとする者4人以上が発起人となります。その発起人は、事業主(個人又は法人)でなければなりません。
事業協同組合設立のための要件②
事業計画の作成(これが一番のポイントです)
事業協同組合は、「営利」を目的とする団体と「非営利」を目的とする団体の、いわば中間的な性格を持つ団体なのですが、「事業」行う団体であり、その事業は、先に書いたような共同宣伝、共同販売、共同受注などのいわゆる「共同経済事業」が少なくとも一つの柱として必要です。この事業を行うことで、事業収入から経費を差し引いた残りが、「剰余金」=利益として残る計画を立てる必要があります。
ワンポイントアドバイス
現在もアイリス代表角野が顧問を務める事業協同組合は、他府県、5省庁管轄、組合員数も40社以上、異業種で、しかも外国人研修生(現「技能実習生」)事業も行うという組合で、設立準備から設立登記まで約1年半かかりました。何度も何度も事業計画を書き、「これではダメです」と書類を突き返されては、役所からの道をうなだれて帰り、別の方のお知恵も借りてようやく設立に至りました。今から考えると、山を登って見える景色もあるのかな、そのときの踏ん張りが現在を作っているのかと、その事業協同組合の顧問をしながら思います(なお、設立登記の部分は提携する司法書士が行います)。